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経営の失敗を学ぶ『追われ者』

以下のツイートを目にしたのがきっかけで、読んでみようと思いました。

もう絶版になっているようで一般には手に入らないのですが、近くの図書館で見つけることができました。

実名もたくさん登場して人間模様も生々しく、読み応えのある一冊でした。実名の登場によりリアリティさは増しますが、そのせいで絶版になってしまったのかもしれません。

読者である僕たちは、神の視点から当時の世界を振り返ることができます。
そうすると、転換点はいくつもあったのになと気づくことができます。

度を越したノルマを 営業スタッフに与えれば、生き残れるのはゴマすりか詐欺師だけで、結局は顧客に迷惑をかけて事業が立ち行かなくなる。 そんな当たり前のことを、当時は見通すことができなかった。お客様企業とじっくり面談をして、提案書を作り、 数回の打ち合わせの後に仕事を受注するという クレイフィッシュの営業とは、全く異なる世界であり、 素直に「数を売る営業には、光通信みたいなやり方が最適なんだ」と信じてしまったのである。

上記のように、「あの時は冷静さを欠いていた、もっとこうしていれば・・・」と悔いる記述が多くでてきます。
当たり前のようなことも、渦中にいると盲目となってしまうのかもしれません。

当事者であったとき、冷静になって優先順位を間違えることなく、適切な選択ができるか?
この本で語られる著者の「失敗」を頭に入れておくことで、同様のケースに直面したときに、少なくとも立ち止まって考えることはできそうだと思いました。その点で大きな学びを得られた本でした。