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「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」を考える 前編

リクルートの裏社是として、今も支持されている言葉。
リクルート創業者の創業者である江副浩正氏がつくったそうです。

この言葉が好きで、リクルート社員でもないのに、勝手に胸に刻んでいます。

勤務先の会社では名刺に好きな言葉を入れられるのですが、
一時期、僕はこの言葉を名刺のフリーコメント欄に入れていました。

名刺を渡した時に、
「えっ、リクルート出身なんですか?」
と変な誤解を生んでしまったことがあってからは、やめましたが(笑)

今回はこの「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉について書いていきます。

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
は、
1ステップ:自らが機会を創る
2ステップ:機会が自らを変える
の2ステップから成り立っています。

なので、前編・後編の2つに分けて書いていきます。

自ら機会を創る

「機会を創る」を考えていて僕がなんとなく思い浮かんだのは、
スティーブ・ジョブズのスピーチの「点と線」の話でした。

いろんなところで引用されまくっている名スピーチです。
知らない人のために簡単に紹介すると、

今取り組んでいることが将来にどう役立つかは、本当の意味では今は分からない。
その時になって振り返ってみて、「あ、あの時のことは今のこれにつながっている」
と分かるようになる。
将来を見据えて、つながる点だけをプロットして、線を引いていくことはできない。
できるのは、後から点をつなぎ合わせることだけ。
今は、今やっていることが、人生のどこかで実を結ぶと信じてやっていこう。

というものです。
ジョブズ自身の経験も交えながら語られる人生観がとても良いので、気になった人はぜひスピーチ原文を聞いてみてほしいです。

さて、本題に戻りましょう。

この「点」と「機会」、
けっきょくは似たものを指していますよね。

なので、江副さんの言葉とジョブズのスピーチを合わせて解釈してみると、
「機会をつくる時には、その機会が自分を変えてくれそうかは考えなくてよい」
と言える気がしています。

この考え方というかスタンスは、とても大事だなと思っています。

機会やチャンスに対するスタンスとして、
・機会をしっかり見極めて、良い機会なら飛び込む
のと、
・機会の良し悪しは見極められないので、とにかくたくさん機会をつくる
の2つがあります。

今回の話は後者と同じ考え方です。

何冊かの本を読みながら、
個人的には後者の考え方でいる方が、幸せな人生を歩めそうな気がしてきています。

前者だと、見送った機会に対する後悔も生まれそうですね。

話がまたそれますが、最近読んだ『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める』という後悔に関する本にも、やった後悔より、やらなかった後悔を持つ人の方が圧倒的に多いという話がありました。

後悔の少ない人生にするためにも、機会をたくさんつくるという人生戦略をとっておくのがよいのかもしれません。

機会をたくさんつくる上では、
「機会」を「サイコロをふる」と捉えておくのがおすすめです。
機会に対するフットワークが軽くなると思います。

機会をつくることの例えで、
「打席に立つ」の表現もよく使われます。

この表現、分かりやすくもある一方で、良くない一面もある気がしています。

打席に立つならヒットやホームランを打ちたいので、
ヒットやホームランを打てるようになってから打席に立とう、
と、どうしても考えてしまいます。

また、いざ打席に立って、三振に終わってしまった時、
自分に実力がないからだ、と考えてしまいます。

上記のような考え方は、「たくさん機会をつくる思考」を邪魔するものとなるでしょう。

一方で「機会」を「サイコロをふる」と捉えているならば、
・準備は意味がないので、とにかくサイコロを振ってみよう
・望んだ結果が出なくても、それは自分に実力がないからじゃない。次また振ってみよう。
と考えることができます。

このあたりの考え方は
『成功は”ランダム”にやってくる!』
という本に大きく影響を受けています。
興味があれば、ぜひこちらも読んでみてください。

というわけで

今回は「自ら機会を創る。」について書きました。

たくさんサイコロを振りましょう。
1の目がほしいと思って振っても、3の目が出たりするものです。
でも、その3の目も、今は意味を感じられなくても、10年後くらいに自分にとって意味のあるものになっているかもしれません。