リクルートのDNA 起業家精神とは何か/江副浩正
起業家精神とは?
リクルートの創業者である江副浩正さんが、自身が影響を受けた先輩経営者の話やリクルートの創業・経営の経験を通じて、起業家精神とは?を語る本
「リクルートのDNA」を読み解く
ホットペッパー、ゼクシイ、SUUMO、タウンワーク、じゃらん。
リクルートからはさまざまな事業が生み出されています。そして、創業者の手を離れてからも、高収益を上げる優良企業であり続けています。
その秘密はどこにあるのでしょうか?
本書を読むと、その1つが企業文化・風土にあることに気付かされます。江副さんは口下手であったからこそ、自分の思いや経営に対するスタンスを「社是」「社訓」「心得」などとして文章にして残したそうです。
言葉として残したその思いは、リクルートのDNA(遺伝子)として今もなお受け継がれています。
リクルートのDNA 目次
第一章 企業風土について
第二章 私が学んだ名起業家の一言
第三章 成功する起業家の条件
第四章 リクルート創業期
第五章 生き生きと働く風土
第六章 情報誌の領域を広げる戦略
第七章 領域の過大な拡大
第八章 早過ぎた新規事業の立ち上げ
前半ではリクルートの社是・社訓・経営理念などを交えながら、企業風土・文化について述べられています。また、具体的な名前を上げながら、先輩経営者から学んだことについても語られています。
後半では、リクルートの創業・経営の経験が語られています。成功したこと、失敗したことなどがせきららに書かれています。
ココを読んでほしい!
自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ
とてもいい言葉で、人生の指針の1つにしたいと思いました。
変わろうと決意するだけでは、何も変わりません。変わることが必要な状況を行動によって創り出す。
無理に環境を変えたり追い込んだりすればいいってものではないけれど、変革には
「差し迫った必要性」=「危機感」
が大事なのだと思います。
本書の感想
起業・経営や「リクルート」という企業の歴史を知りたい人にはぴったりの一冊だと思います。自らの手で一から会社を築き上げた先人の言葉として、参考にしたいと思いました。
また、「早すぎた新規事業の立ち上げ」のパートはとても考えさせられました。失敗談が語られた後での、ドラッカーの
変化をコントロールすることはできない。できるのは先頭にたつことだけである。
という言葉には納得感がありました。
時代の流れをつくろうとすると、失敗してしまう。時代の半歩先を読んで、その波に乗れということでしょうか。成功の核心をついた奥の深い教訓だと思いました。起業して大きく成功するには、未来予測力と運(タイミング)が大事だと教えてくれる経験談でした。
本書の最後には以下のような、江副さんの言葉があります。
本書が、凡庸な人間でも精一杯頑張れば、ある程度のことができるひとつの例として、これから事業を始める若い人の参考になれば幸いである、と思っている。
この思いは一冊の本になって、たくさんの人に届いているはず。私自身もこの本を読んでいくつか学びがあったので、読む価値が十分にあったなと思いました。