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シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法/サリム・イスマル

飛躍的に成長する企業・ビジネスを解明する

従来型企業と飛躍型企業の成長速度の違いは何によってもたらされるのか。その特徴を解明する本。

『飛躍する方法』を読み解く

本書の副題は「ビジネスを指数関数的に急成長させる」となっています。

また、原題は

「Exponential Organizations – Why new organizations are ten times better, faster, cheaper than yours (and what to do about it.)

となっています。

簡単に訳すと「指数関数的に成長する組織 – 新しい組織はなぜ従来の組織に比べて10倍も高いパフォーマンスを発揮するのか。そして、その飛躍的成長のために何をすべきか。」

飛躍型企業の特徴は大きく以下の3つに分類されます。

目標:MTP(野心的な変革目標)

組織の中の人々だけでなく、組織の外にいる人々の心や想像力・野心をつかむ大きな野望・志。

外部環境:SCALE

S:オンデマンドの人材調達
C:コミュニティとクラウド
A:アルゴリズム
L:外部資産の活用
E:エンゲージメント

内部環境:IDEAS

I:インターフェース
D:ダッシュボード
E:実験
A:自律型組織
S:ソーシャル技術

目次 飛躍する方法

まえがき
イントロダクション

Part 1 飛躍型企業を解明する
第1章 破壊的な変化がやってきた
第2章 「所有」をめぐる2つの会社の物語
第3章 飛躍型企業の周りにある5つの特徴
第4章 飛躍型企業の内側にある5つの特徴
第5章 飛躍型企業がもたらす真新しい世界

Part 2 飛躍型企業をつくり上げる
第6章 飛躍型企業を立ち上げる
第7章 中小企業が飛躍型貴重になるために必要なこと
第8章 大企業が飛躍型企業になるには
第9章 飛躍型企業に生まれ変わった大企業
第10章 飛躍型リーダーを目指す

エピローグ 新たなカンブリア爆発

あとがき

ココを読んでほしい!

  ウェイズ対ナブテックの話で重要なのは、誰が勝ったか負けたかという点だけでなく、2つの会社が「所有」 に対して根本的に異なるアプローチをとったという点である。

ノキアが巨額を投じて数十億ドル分の物理資産を所有した一方で、ウェイズは単にユーザーが所有する情報へのアクセスを確保しただけに過ぎない。前者は直線的成長思考の典型例、後者は指数関数的成長思考の典型例だ。

ノキアの戦略は設備を設置するスピードに依存するが、ウェイズが依存するのは情報をシェアするスピードだったため、劇的な速さで事業を展開できたのである。

モトローラのイリジウムという事業の失敗やコダックからインスタグラムへの転換など、具体的な企業名を上げての事例がいくつかでてきます。

その中でも特におもしろいなと思ったのが、上記のウェイズとナブテックの事例です。

ビジネスを展開していく際の戦略・発想がそもそも違うということがよくわかる事例だと思いました。

感想

本書は海外では2014年に、日本では2015年に出版されています。

この手の本は情報の鮮度が命なので、2018年の今現在、本の価値としては半分以下になっているかもしれません。

明日からのあなたの行動を変える実務書というよりは、時代の流れを学ぶための1冊です。

さらっとでもいいので読んでみて、新しい考え方を知っておくと、これからの世界のビジネスを見る目が変わるのではないかと思います。