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マーケティング勉強会 顧客理解編

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2024年8月29日に、マーケティング勉強会に参加してきました。
今回は「顧客理解」がテーマでした。
勉強会のメモを記載します。

顧客理解はそもそもなぜ重要か?

顧客理解を考える

顧客理解はなぜ重要なのか?
売上の最小単位を考えると”顧客”に行き着くから
売上の最小単位という考え方(西口一希さんからの引用)

考える時の視点
どういう時にこの問いが発せられるか?
顧客とは誰なのか? → 意外とみんな定義が違う

自分の意見

ビジネスである以上、有限の資源(人やお金など)から、売上や利益を生み出していくことが求められます。その際、買ってくれる人だけに自社の商品・サービスを売るのが、最も資源を無駄にすることなく、売上・利益を上げていくことにつながると考えます。(そもそも、買ってくれる人がいるものをつくる、という話もあるかもしれません。)となると、顧客理解は大事だよね、となるのだと考えました。

顧客理解のために何を実施すべきか?

調査

定量と定性の調査。デプスインタビューなど。
顧客の目線に立って、同じ景色・世界を見ようとすることが必要。

インタビューの前提

ほしいものを直接は言ってくれない。
顧客の口から”顧客インサイト”そのものは出ない。
“顧客インサイト”は行動にのみ現れる。

インタビューのコツ

話は聞くけど、意見は聞かない。
◯◯しないと口で言ってても、実際の行動はまったく違ったりする。

なぜ?は最後まで聞かない。これが鉄則。
大事なのは「タイムトラベルさせる」こと。
行動やその時見ていたものだけに焦点を当てて話してもらう。
途中の「なぜ?」の質問は、思考に意識を向かわせてしまい、本人をタイムトラベルから現在に呼び戻してしまう。
最後に振り返りとして、あの行動はなぜ?と聞くのはOK。

Whoだけでなく、5W1Hまで捉える。
その心は、「人じゃなく、環境・シーン・タイミングもその人をそう行動させる」ということにある。

ホームビジット(家庭を訪問しての調査)
その人の家はどんな雰囲気でどんなソファー・家具があって。
ありのまま、”生活”をつかむのが調査としては理想的。

自分の頭に思い浮かんだもの

ジョブ理論のシェイクの例
アメリカで繁盛しているシェイク屋さんがありました。
誰に売れているのか、店に張り付いて観察していると、朝の通勤前のビジネスパーソンが多く購入していくことに気が付きました。

なぜ朝の通勤前のビジネスパーソンが購入していくのか?
アメリカは車社会で、通勤に1~2時間かかるのが普通。
その際に手持ち無沙汰を解消するものとして、食べ物・飲み物がほしい。
ガムだと、味が長く持たない。
ハンバーガーやポテトだと、手が塞がるし、ベタベタしてしまう。
普通の飲み物だと、長時間のドライブでぬるくなってしまう。
シェイクだと、適度に冷たさを維持できて、それでいて腹持ちも良い。
⇒通勤の相棒として”シェイク”が最適。

甘い・おいしいということだけじゃなく、環境が人にそれを買わせる好例だと理解しています。

セブンティーンアイスの例
アイスの自販機でよく見かけるセブーンティーンアイスは、その設置場所が絶妙に考え抜かれているそう。
コンビニがあらゆるところにあって、そこでアイスを買えてしまう世の中で、いかにそれにビジネスとして勝っていくか。
コンビニのない駅構内や、ハイキングする山の山頂などにも多くあるみたい。でも個人的には、スイミングスクールの中に置かれている例が好きです。自分もスイミングに通っていた時がありましたが、確かにあったなという記憶があります。

スイミングスクールでは、子供へのご褒美として、親がアイスを買うケースが多いそう。これも、人や親子だけに注目していても気が付けない、人と環境がそろって初めて商品が買ってもらえる、分かりやすい事例だと思っています。

調査をどう進めるか?

誰に聞くか?

なぜ売れているのか?→ ロイヤル顧客に聞く
新規プロダクト→ターゲットセグメントに5-20人聞く

商品を買っていない人に話を聞く方法
SNSアカウントでアンケートをとり、買わない・買ってないと回答した人にDMするなど

顧客インサイトとは?どこにあるのか?

顧客インサイトはどこにあるのか?

たくさんの人へのインタビュー・観察で見えてくる、行動の交差するところ
(Takram 田川さんからの引用)

羽田空港のラウンジ改修の事例by Takram
空港ラウンジの入口付近に数人で数日間張り付き
インサイト514個の発見
その中からビジネスに有効なものを選択する

羽田空港ラウンジ再設計プロジェクトの参考記事が以下です。

デザインエンジニアリングとケア
jnapcdc.com


“顧客インサイト”とは何なのか?
定義はさまざま。
しかし、「人が動くその裏側には心理・原理がある」と考えている点は共通している。

唯一解はない。ビジネスに使える・使えないを含めて、インサイトそのものはたくさんある。

顧客インサイトを顧客体験・企画に落とし込むためには?

質問の前提
インサイトをプロダクトに落とし込む難しさがある。
社内をどう巻き込むか。周りにどう説明するか。どうやって予算をとるか。

インサイトのままではダメ

コミュニケーションに落とし込めないと伝わらない

インサイト→解釈→クリエイティブジャンプ

重要性を社内浸透させるには?

愚直に、ワークショップ・社内勉強会などを実施。
社内に共通言語ができるのは利点。